住宅性能評価は任意での取得となるため、中には「住宅性能評価はいらない・意味ない」と考える方もいます。
本記事では、住宅性能評価がいらない・意味ないと言われている背景や、実際に住宅性能評価は取得するべきかについて解説します。
住宅性能評価を取得するメリットも紹介しているので、取得するべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
結論:住宅性能評価の取得はおすすめ
結論からいうと、住宅性能評価は取得することをおすすめします。
住宅性能評価の取得は任意であり、取得の際に費用がかかることから、いらないと思われがちです。
しかし、住宅性能評価の取得にはデメリット以上に多くのメリットがあります。
住宅性能評価が不要だと思われている理由を理解することで、住宅性能評価の必要性を確認しましょう。
住宅性能評価とは
住宅性能評価とは、国が定める評価基準によって住宅の性能を客観的に評価する指標のことです。
住宅の性能を示す住宅性能評価書は、国土交通省が定めた住宅の性能に関する一定の基準を満たした住宅に対して交付されます。
一般の住宅購入者は建物を見るだけでは、住宅の性能を理解することができません。
しかし、住宅性能評価書を確認することで一般の住宅購入者でも住宅性能を理解し、他住宅と比較してより性能が良い住宅を購入することができます。
住宅性能評価がいらないと言われる理由
住宅性能評価がいらないと言われるのにはどのような理由があるのでしょうか。
主な理由は以下の2つです。
- 住宅性能評価の費用
- 住宅性能評価のデメリット
以下で、住宅性能評価の取得に必要な費用や取得の際のデメリットを確認します。
住宅性能評価の費用
住宅性能評価を取得するには、評価機関に依頼する審査費用がかかります。
住宅性能評価には、住宅建設時の設計図書の段階を評価する「設計住宅性能評価」と住宅の施工段階と完成段階を検査する「建設住宅性能評価」の2種類があります。
住宅性能評価を取得する一般的な費用相場は以下です。
【住宅性能評価の取得費用(戸建ての場合)】
設計住宅性能評価のみの取得 | 設計住宅性能評価と建設住宅性能評価どちらも取得 |
10万円〜 | 20万円〜 |
住宅性能評価を取得するために費用がかかるので、住宅性能評価はいらないと思われていることが多いです。
住宅性能評価のデメリット・リスク
住宅性能評価の取得が不要だと思われている理由には、費用面以外にも3つの原因があります。
以下3つのデメリットが、その原因です。
- 建築コストが上がる
- 相反する項目がある
- 設計デザインが制限される可能性がある
住宅性能評価で高い評価を受けたい場合、建物の建築コストが高額になったり設計デザインが制限されたりします。
このようなデメリットがあるため、住宅性能評価はいらない・意味ないと言われることがあります。
住宅性能評価のデメリットについて、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
参考記事:住宅性能評価を取得するメリット・デメリットをわかりやすく解説【2023年最新】
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※補助金の詳細に関しましては管轄している事務局や行政庁にご確認ください。
※竣工済みの新築住宅や既存住宅は現況検査が必要となりますので、評価機関に直接ご相談ください。
等級3以上はいらない?
住宅性能評価の性能表示事項は35項目(新築の場合は33項目)から成り立ちます。
それらの35項目は次の10分野に区分され評価されます。
【住宅性能評価の分野】
評価分野 | 主な評価基準 | |
1 | 構造の安定に関すること | 耐震性、地盤、基礎の構造、地震、防風、積雪対策 |
2 | 火災時の安全に関すること | 耐火性、警報機器の設置、延焼防止への対策 |
3 | 劣化の軽減に関すること | 建物の耐久性、木材の腐朽やシロアリ被害の軽減 |
4 | 維持管理・更新への配慮に関すること | 給排水・ガスなどの配管の点検、清掃、補修のしやすさ |
5 | 温熱環境・エネルギー消費量に関すること | 断熱性、気密性、建物の省エネルギー性能 |
6 | 空気環境に関すること | 化学物質への対策、使用する建材や換気方法 |
7 | 光・視環境に関すること | 開口率、方位別開口比、良好な日照、通風、眺望 |
8 | 音環境に関すること | 床衝撃音、外部騒音に対する対策 |
9 | 高齢者への配慮に関すること | バリアフリー性、介護のしやすさ |
10 | 防犯対策に関すること | バルコニーや窓などへの侵入防止対策 |
住宅性能評価で与えられる等級は1等級から始まり、数値が増えるにつれて高性能な住宅であることを示します。
等級の最大値は分野により異なりますが、3等級以上を取得する場合は建築コストが高額になります。
等級は1〜2でも十分性能が高い住宅であることの証明になります。
住宅性能評価の項目・等級について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。各分野の詳しい評価基準や等級が理解できます。
参考記事:「【2023年版】住宅性能評価の項目・等級について専門家が徹底解説」
住宅性能評価の必須項目
住宅性能評価の評価項目の中には、評価が必須になる項目と任意で選択できる項目があります。
住宅性能評価の必須項目は以下の4分野です。
- 構造の安定に関すること
- 劣化の軽減に関すること
- 維持管理・更新への配慮に関すること
- 温熱環境・エネルギー消費量に関すること
平成27年3月31日までの住宅性能評価では9分野が必須項目でしたが、現在は大幅に緩和されたことで審査を受けやすくなっています。
出典:国土交通省「必須/選択項目の範囲の見直し」
住宅性能評価の任意の項目
住宅性能評価の10分野のうち、以下6つの分野の評価は任意になります。
- 火災時の安全に関すること
- 空気環境に関すること
- 光・視環境に関すること
- 音環境に関すること
- 高齢者等への配慮に関すること
- 防犯に関すること
住宅の性能を詳しく調査したい場合は10分野すべての評価を受けることで住宅の性能を客観的に表せます。
しかし、評価分野を増やすとその分取得のための費用が高額になるため、注意が必要です。
住宅性能評価を取得する際は費用面を考慮して必須項目以外の分野は必要に応じて選択するようにしてください。
住宅性能評価のメリット
住宅性能評価の取得には費用がかかり、等級を上げるための建築コストが必要になるため「いらない・意味ない」と思われがちです。
しかし、住宅性能評価の取得には事業者や住宅購入者にとって多くのメリットがあります。
住宅性能評価を取得する主なメリットは以下の通りです。
- 住宅性能が可視化され、入居者へ住宅性能をアピールできる
- 住宅ローン控除が受けられる
- 地震保険が安くなる
- 資産価値が高くなる
- 紛争処理対応を受けられる(建設住宅性能評価書が交付された住宅に限る)
住宅性能評価の取得は、取得のための手間やコストがかかる反面、得られるメリットも大きいです。
住宅性能評価のメリットについて、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。上記で紹介したメリットについて詳しく解説しています。
参考:「住宅性能評価を取得するメリット・デメリットをわかりやすく解説【2023年最新】」
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