最近、CASBEEかBELSを取得したいけど、どちらがいいのか?といったお問い合わせが増えておりますので、今回のコラムでは、それぞれの取得費用、期間、手間などについて詳しく解説させて頂きます。
そもそも、省エネ計算はどちらを取得するにしても必要になりますが、BELSは省エネ計算のみで取得可能、CASBEEは、取得項目のひとつが省エネ計算になりますので、手間や取得期間が、大幅に異なります。
CASBEE
まず、CASBEEですが、自治体CASBEEと民間検査機関が審査する自主CASBEEにわかれます。
- 自治体CASBEE
延床面積2,000㎡を超えた建物を建てる場合に、建設地の自治体において求められている場合、提出が必要になります。
CASBEE提出が求められる市区町村は以下でご確認ください。
https://www.ceec.jp/service/casbee/
代行費用は数十万円、取得期間は数週間~2か月(自治体の審査次第)程度になります。
- 民間検査機関CASBEE(自主CASBEE)
自治体CASBEEがない建設地の物件や自治体CASBEEがあるが延床面積が2,000㎡以下の物件は、任意で取得するCASBEEとなり、昨今は、投資家対応・アピールで不動産ファンド・REITなど、また、公共施設などの入札の条件、学校などで求められております。
自主CASBEEの場合、取得ランクにもよりますが、取得期間は3-6ヶ月、代行費用も数百万円、さらに、高いランクを取得する場合は、建築材料や設備などを変更する必要もでる可能性があり、それを発注できるタイミング・スケジュールを考慮しながら進めるため、取得するにはハードルが高くなります。
BELS
省エネ適合性判定物件(非住宅2,000㎡以上)は、今後の環境配慮不動産に対する流れから、自動的に取得された方が良いものになります。
こちらのコラムで解説しておりますのでご覧ください。
https://www.ceec.jp/column/2020/05/29/bels/
省エネ適合性判定物件(非住宅2,000㎡以上)の代行費用は数十万円、取得期間は数週間~2か月(自治体の審査次第)程度になります。
2021年4月以降は、非住宅300-2,000㎡(それまでは役所への届出のみ)の物件も省エネ適合性判定の対象物件になり、民間により審査されますので、こちらの規模の物件に関してもBELSを取得することが望ましいです。
一方、住宅や適合性判定ではない非住宅物件(2021年3月まで2,000㎡以下、2021年4月以降300㎡以下)の場合は、役所への省エネ届出ですむ物件のBELSを取得する場合は、役所へ省エネ計算書を提出するとともに、民間検査機関に提出してBELS取得を目指すことになります。こちらのケースにおいては、民間検査機関の審査はかなり厳格になりますので、届出にくらべて、1.2-1.5倍くらいの手間やコスト・期間がかかるイメージです。
まとめ
CASBEE、BELSも環境配慮不動産の指標になっておりますが、上の通り、取得の手間・時間・ハードルが大分異なりますので、取得に当たっては、なぜ取得したいのか?投資家対応、補助金、自治体からの入札条件等その目的を精査したうえで、取得がマストなのか?どちらを取得する方が望ましいか、を検討してから取得されることをおススメします。
最近のお問い合わせでこのようなお話をさせて頂くと大抵の場合は、検討した結果、BELSにされるお客様が多くなっております。CASBEEを取得されるお客様は、入札や補助金取得の前提条件になっており、取得せざる得ない物件の場合になっております。
このコラムに関して詳細を確認したい場合や、省エネルギー計算届出に関しての質問などはお気軽にお問い合わせください。
※個人の方はまずは身近な設計事務所や施工会社にご相談された方が手続きがスムーズです。