CASBEEは環境に配慮した資材の使用や省エネルギー性能はもとより、室内の快適性や周囲の景観への配慮や室内環境の快適さも含めて、建築物の環境性能を総合的に判断するものです。その目的は建築物の環境性能を様々な観点から客観的に評価することにあります。
CASBEEにはCASBEE建築(新築)やCASBEE不動産など、対象建築物や目的に応じて様々な種類がありますが、その中の一つである「CASBEE-短期使用」という評価が近年注目を集めています。
CASBEE-短期使用とは
CASBEE-短期使用は、仮設建築物のような短い期間での使用を目的とした評価ツールです。
建築物の使用期間は5年以内を目安とし、すべての用途に対応しています。
新築時の設計内容を評価するため、CASBEE-建築(新築)の拡張版のような位置づけとなります。
CASBEE-建築(新築)と違いとしては、仮設建築物に適さない評価項目が削除されていたり、重み係数が変更されていることです。具体的には、CASBEE-建築(新築)では、 LR1:LR2:LR3=4:3:3となっている重み係数がCASBEE-短期使用ではLR1:LR2:LR3=2:5:3 に変更されています。
CASBEE-短期使用は2005年「愛・地球博」の展示施設へ適用することを目的に開発されました。
その際は「⾧久手日本館」および「瀬戸日本館」の2件が第三者認証を取得しています。
CASBEE-短期使用取得のメリット
CASBEE-短期使用を取得するメリットは、環境性能の客観的評価を得ることで多くの人々に環境配慮の姿勢をアピールできることにあります。
特にCASBEE-短期使用は「愛・地球博」や「大阪・関西万博」のような世界的に意義のあるイベントで使われるケースが多いため、そのアピール効果は一段と大きなものになると言えるでしょう。
CASBEE-短期使用の計算方法
CASBEE-短期使用は、CASBEE-建築(新築)と同じく、Q(Quality:建築物の環境品質)とL(Load:建築物の環境負荷)を個別に採点し、その結果から総合評価であるBEE(Built Environment Efficiency:建築物の環境効果)の指標を評価します。
CASBEE-短期使用はBEEやQ値の数値によって、以下のような5段階のランクで評価されます。
ランク | 評価 | ランク表示 | BEE値、Q値 |
---|---|---|---|
S | 素晴らしい | ★★★★★ | BEE=3.0以上、かつQ=50以上 |
A | 大変よい | ★★★★ | BEE=1.5以上3.0未満 |
B+ | 良い | ★★★ | BEE=1.0以上1.5未満 |
B | やや劣る | ★★ | BEE=0.5以上1.0未満 |
C | 劣る | ★ | BEE=0.5未満 |
CASBEE-短期使用 使用上の注意点
CASBEE-短期使用はCASBEE-建築(新築)を元に作成されています。
そのためマニュアルに関してはCASBEE-建築(新築) 2016年版の評価基準からの変更部分のみとなっているため、CASBEE-建築(新築) 2016年版も併せて使用する必要があります。
マニュアルの取得はこちらから
CASBEE-短期使用の弊社実績
【物件名】 スペイン館 ラ・コリエンテ・デ・黒潮(2025年大阪・関西万博)
【取得評価】 CASBEE-短期使用 Aランク
【種 別】 新築
【構 造】 木造(一部鉄骨)
【用 途】 展示場
【規 模】 約3,000㎡
【物件名】 2025年日本国際博覧会 施設整備事業 テーマ館「いのちを守る」河瀬パビリオン
【取得評価】 CASBEE-短期使用 Aランク
【種 別】 新築
【構 造】 木造+RC造
【用 途】 エントランス・対話シアター棟:展示場、森の集会所:休憩所
【規 模】 エントランス・対話シアター棟:約1,200㎡、森の集会所:約350㎡
【物件名】 某飲食店(2025年大阪・関西万博)
【取得評価】 CASBEE-短期使用 Aランク
【種 別】 新築
【構 造】 木造
【用 途】 飲食店
【規 模】 約800㎡
CASBEE-短期使用のことなら「環境・省エネルギー計算センター」にご相談ください!
CASBEE-短期使用はある程度の規模の催事が行われる場合に取得されるケースが多く、実績のある会社もそう多くはありません。
環境・省エネルギー計算センターは2025年大阪・関西万博での実績も多数ありますので、安心して業務をお任せいただけます。
CASBEE-短期使用の取得を検討されている場合はぜひ当社にご相談ください。