CASBEE名古屋(きゃすびーなごや)についてお調べですね。
CASBEE名古屋とは、建築物の環境性能を評価し格付けするCASBEEの自治体版です。名古屋市が管理・運営をしており、床面積の合計が2,000㎡を超える建築物の新築時・増築時が対象となります。
この記事では、CASBEEの専門家が「CASBEE名古屋」について詳しく解説します。CASBEE名古屋についてお調べの方はぜひ参考にしてください。
CASBEE(キャスビー)とは?
CASBEEとは、建築環境総合性能評価システムのことで、建築物の環境性能を評価し格付けするシステムです。国土交通省により2001年から継続している産官学共同プロジェクトです。
環境配慮の観点のみならず、居住者・利用者の快適さや景観への配慮などが評価に含まれます。
CASBEEには、「民間が運営しているCASBEE」と「地方自治体が運営しているCASBEE」があり、地方自治体のCASBEEは、一定規模以上の建築物に対して届出を義務化しており、建築物を新築・増築する際にCASBEEによる評価と届出が必須です。
地方自治体が運営しているCASBEEは、各自治体の地域性や政策等を含んで特色があります。
次の章からは、名古屋市が導入している「CASBEE名古屋」について説明します。
CASBEE名古屋とは
CASBEE名古屋とは、建築物環境配慮指針に基づく建築主の自主的な取り組みを進め、建築物の新築等における地球温暖化その他の環境への負荷の低減を図ることを目的とした仕組みです。(参考:名古屋市「名古屋市建築物環境配慮制度運用マニュアル2016」)
CASBEE名古屋の対象建築物
名古屋市の条例に基づき、床面積の合計が2,000㎡を超える建築物に届出の義務が生じます。また、床面積の合計が2,000㎡未満の場合でも任意で届け出ることが可能です。
CASBEE名古屋の期日
工事着手予定日の21日前までです。
CASBEE名古屋の届出先・連絡先
CASBEE名古屋の届出先・連絡先は下記の通りです。
届出先 | 名古屋市住宅都市局建築指導課 |
住所 | 〒460-8508 愛知県名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 市役所西庁舎2階 |
電話番号 | 052-972-2924 |
CASBEE名古屋の特徴
CASBEE名古屋には、独自の特徴である「重点事項」があります。
名古屋市の環境に関する長期戦略などを踏まえて、下記3点をCASBEEに盛り込んでいます。
- 温暖化対策
- 自然共生
- 循環型社会
下記にて詳しく説明します。
重点事項①|温暖化対策
1つ目の重点事項は「温暖化対策」です。
名古屋市では、「低炭素都市2050なごや戦略」にて、温室効果ガスを削減するという目標を掲げています。
温暖化対策の項目では、この目標を達成するために、温室効果ガスに関係するCASBEEの項目を重視し、評価しています。
重点事項②|自然共生
CASBEE名古屋の2つ目の重点事項は「自然共生」です。
名古屋市では、「生物多様性2050なごや戦略」にて、生物・自然環境との共生を今後の目指すべき都市の姿の一つとしています。
自然共生の項目では、この目標を達成するために、生物環境や街並み・景観に関係するCASBEEの項目を重視し、評価しています。
重点事項③|循環型社会
CASBEE名古屋の3つ目の重点事項は「循環型社会」です。
名古屋市では、「水の環復活2050なごや戦略」にて、ヒートアイランドの解消などにむけた水循環機能の回復を目標としています。また、平成11年の「ごみ非常事態宣言」以降、廃棄物削減への取組を続けています。
循環型社会の項目では、これらの目標や取組に寄与できるCASBEEの項目を重視し、評価しています。
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CASBEE名古屋の評価マニュアル・評価ソフト・届出書はこちらから
CASBEE名古屋の評価マニュアルや評価ソフトなどは、下記から閲覧およびダウンロードが可能です。
CASBEE名古屋の評価方法
CASBEE名古屋の採点基準は、「CASBEE 建築(新築)評価マニュアル(2016 年版)」に加えて、下記の項目が追加・読替されています。これらは、名古屋市及び愛知県の条例等により加えられた独自の採点基準です。
CASBEE建築の基本的な評価方法や評価項目は、下記の記事をご覧ください。
CASBEEの評価項目をプロが解説!「新築建築物」か「既存不動産」によって評価が変わる!
CASBEE名古屋で独自に追加・読替された評価項目
Q2 サービス性能 | 1機能性 | 1.1 機能性・使いやすさ | 1.1.3 バリアフリー計画 |
1.3 維持管理 | 1.3.2 維持管理用機能の確保 | ||
LR2 資源・マテリアル | 2 非再生性資源の使用量削減 | 2.4 非構造材料におけるリサイクル材の使用 | ー |
LR3 敷地外環境 | 2 地域環境への配慮 | 2.3 地域インフラへの負荷抑制 | 2.3.2 汚水処理負荷抑制 |
2.3.3 交通負荷抑制 | |||
3 周辺環境への配慮 | 3.1 騒音・振動・悪臭の防止 | 3.1.1 騒音 | ー |
3.1.2 振動 | ー | ||
3.1.3 悪臭 | ー |
CASBEE名古屋の重点事項の評価方法
CASBEE名古屋の3つの重点事項の評価方法について説明します。
重点事項では、通常のCASBEEで評価した項目の一部を抜粋し改めて評価します。
重点項目のスコアは以下のように算出されます。
重点項目スコア= (評価点×全体に対する重み)の総和÷全体に対する重みの総和 |
なお、全体に対する重み係数は重点項目それぞれで定められています。
下記のシートの通り、重点事項の評価に関しても名古屋市のホームページに記載されるので、きちんと確認しておきましょう。
出典:名古屋市「環境配慮の措置の概要(令和3年度届出分)|(仮称)名古屋市中区丸の内3丁目PRJ」
重点事項「温暖化対策」の評価項目
名古屋市は、「低炭素都市2050なごや戦略」における、「温室効果ガスを削減する」という目標を達成するために、CASBEEの下記項目を重点事項として評価しています。
- エネルギー(LR1)
- 地球温暖化への配慮(LR3.1)
- 温熱環境悪化の改善(LR3.2.2)
重点事項「自然共生」の評価項目
名古屋市は、「生物多様性2050なごや戦略」における、「生物・自然環境との共生」という目指すべき都市の姿を達成するために、CASBEEの下記項目を重点事項として評価しています。
- 生物環境の保全と創出(Q3.1)
- まちなみ・景観への配慮(Q3.2)
- 地域性への配慮、快適性の向上における「地域性のある材料の使用」(Q3.3.1)
- 敷地内温熱環境の向上(Q3.3.2)
重点事項「循環型社会」の評価項目
名古屋市は、「水の環復活2050なごや戦略」における、「水循環機能の回復」という目標の達成と廃棄物削減への取組の活性化のために、CASBEEの下記項目を重点事項として評価しています。
- 水資源保護(LR2.1)
- 非再生性資源の使用量削減(LR2.2)
- 地域インフラへの負荷抑制(雨水、汚水、廃棄物) (LR3.2.3)
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