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CASBEE神戸とは?神戸市でCASBEEを取得する方法を徹底解説

CASBEE神戸とは、神戸市で大規模な建築物を建てる際に届出が必須となる制度のことです

建築物の環境性能を評価し格付けする「CASBEE」に神戸市独自の基準を加えた評価制度となり、床面積の合計が2,000㎡以上の建築物の新築・増改築・大規模の修繕・大規模の模様替えが届出対象となります。CASBEE兵庫とは運営元が違うため、注意してください

この記事では、CASBEE神戸の特徴や評価方法、評価項目について詳しく解説します。

神戸市で大規模な建築物を計画している方や中規模な建築物でもCASBEE神戸の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

CASBEEとは?

CASBEEは「建築環境総合性能評価システム(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)」の略称であり、建築物の環境性能を評価し格付けするシステムになります。CASBEEは国土交通省のもとで産官学共同プロジェクトとして開発が行われ、建築物の「環境品質」と「環境負荷」をそれぞれ5段階で評価できる基準が定められています。

地方自治体で運営されているCASBEEは自治体独自で管理・運営を行っており、一定規模以上の建築物の新築・増築時の届出を義務化しています

地方自治体版CASBEEには、各自治体の特色や地域性に合わせて独自の基準を設けているものもあります。

CASBEE神戸とは

CASBEE神戸は、「神戸市建築物等における環境配慮の推進に関する条例」に基づく、神戸市建築物総合環境評価制度です。新築・増築・改築を行う延床面積2,000㎡以上の大規模建築物が評価対象となります。

また、CASBEE神戸は神戸市条例に基づき運営しているため、神戸市で2,000㎡以上の大規模建築物を計画する際には、CASBEE兵庫の届出は不要です

参考:CASBEE神戸〜神戸市建築物総合環境評価制度〜

参考:兵庫県|建築物総合環境制度(CASBEE)

CASBEE神戸の対象建築物

CASBEE神戸の対象建築物は、神戸市内で新築・増築・改築・大規模の修繕・大規模の模様替えを行う延床面積2,000㎡以上の建築物になります。また、2,000㎡未満の建築物に関しては、任意で届出を行うことも可能です。

延床面積2,000㎡以上の集合住宅等のうち、該当する部分の販売又は賃貸を目的とするもの(特定集合住宅)については、別途「すまいの環境性能表示」の届出が必要となります

CASBEE神戸の届出期日

CASBEE神戸は、特定集合住宅とそれ以外の建築物の届出期日が異なるため、届出の際は注意してください

 

特定集合住宅 建築確認申請を行う日の21日前まで
特定集合住宅以外 工事に着手する日の21日前まで

 

CASBEE神戸の届出先

CASBEE神戸の届出先と連絡先は以下の通りです。

 

神戸市役所 建築住宅局 建築指導部 建築安全課
郵送先住所 〒651-0083 神戸市中央区浜辺通2-1-30三宮国際ビル5階
連絡先 078-595-6556

 

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CASBEE神戸の特徴について

CASBEE神戸では、「神戸市建築物等における環境配慮の推進に関する条例」を踏まえ、全国版CASBEEの評価基準に重点項目として「まちなみ・景観への配慮」と「建築物の耐震性等」、「バリアフリー計画」を盛り込んでいます。また、特定集合住宅については「すまいの環境性能表示」の届出を必須としています。

まずは、CASBEE神戸の3つの重点項目について下記で詳細を解説します。

重点項目1:まちなみ・景観への配慮

1つ目の重点項目は「まちなみ・景観への配慮」です。

神戸市には歴史的重要建築物も多く残されているため、まちなみや景観への配慮が大切です。

建築物の高さや壁面の位置・外装・屋根・庇などのかたちや色を、周辺の風景にバランスよく調和させるための配慮を評価します

重点項目2:建築物の耐震性等

2つめの重点項目は「建築物の耐震性等」です。

1995年に起こった阪神・淡路大震災を教訓に、大規模建築物における耐震性等(耐震・免震、信頼性)の確保を重要視しています。建築物の耐震構造や揺れを防止・低減する免震構造、制震構造を評価します

重点項目3:バリアフリー計画

3つめの重点項目は「バリアフリー計画」です。

神戸市では、バリアフリー法に基づき「神戸市バリアフリー基本構想」を掲げており、建築物に対するバリアフリー計画の取り組みを評価しています

すまいの環境性能表示とは

すまいの環境性能表示とは、CASBEE神戸を活用して特定集合住宅の環境性能を広告等へ表示し、情報を提供する制度です。延床面積2,000㎡以上の一部の集合住宅棟等では、環境配慮条例に基づき広告等への表示が義務付けられており、それ以外の住宅では神戸市要綱に基づき、任意で表示をすることができます。

また、評価結果は神戸市ホームページで公表されるため、建築物の環境への取り組みが認知されます

 

すまいの環境性能表示とは

参考:神戸市すまいの環境性能表示

 

総合評価

すまいの環境性能表示の総合評価では、5段階で「住みやすさ」と「環境への配慮」のバランスの良さを評価しています

あじさいマークが多いほど高評価となっており、あじさいが3つ表示されている場合は標準的な環境性能です。

特に重要な環境性能の評価

特に重要な環境性能の評価内容は、以下の5つです。

葉っぱマークが多いほど高評価となっており、葉っぱが3枚の場合は標準的な環境性能です。また、太陽光発電の利用のみ太陽マークの有無で表示されています。

 

地球温暖化への配慮 地球温暖化の原因と考えられているCO2の削減量が大きいほど高評価となります。
建物の断熱で省エネ 外壁等の断熱性、季節に応じた日射利用など建物の工夫による省エネルギー性能が高いほど高評価となります。
住む人の安全・安心 住む人の健康面への配慮(適正な室温、良好な空気環境、高い防音性能、バリアフリーの配慮など)や防犯への備え、日常生活への気遣いや地震発生への対応まで、住む人の安全・安心への配慮が大きいほど評価が高くなります。
緑と街並みへの配慮 敷地や屋上の緑化の程度(緑化率)に、建物の街並みへの調和の取り組みの程度を加味した評価です。工夫や配慮が大きいほど評価が高くなります。
太陽光発電の利用 太陽光発電が設置されている場合は、太陽マークが表示されます。

 

表示を利用した住宅への優遇策

「神戸市すまいの環境表示制度」に賛同した民間企業等との連携により、一定以上の評価が表示された住宅を取得した方を対象とする以下の支援があります。

 

エネルギー供給会社による支援策
企業名 優遇内容 問い合わせ窓口
大阪ガス株式会社 あじさいの数が4つ以上の場合、「エネルックPLUS」利用者に月額利用料金を初年度最大2割引
※『エネルックPLUS』採用の新築集合住宅に限る
リビング開発部エネルックPLUS事務局
06-6205-4644
株式会社クラッシー・ファミリーコンシェルジェ関西 あじさいの数が3つ以上の場合、家事代行サービスの割引 事業推進部 担当:山城
0797-25-7502
金融機関による支援策
三井住友信託銀行株式会社 あじさいの数により店頭金利から全期間金利引き下げ一定型タイプで年1.45〜1.7%引き下げ 三井住友信託銀行神戸支店
078-231-2329
株式会社三井住友銀行 あじさいの数が4つ以上の場合、店頭金利から完済時まで1.7%引き下げ 三井住友銀行三宮ローンプラザ
078-332-2797
株式会社みなと銀行 あじさいが4つ以上の場合、店頭金利から完済時まで1.5%引き下げ みなと銀行三宮住宅ローンプラザ
078-332-6650
電機メーカーによる支援策
三菱電機株式会社 あじさいの数が4つ以上の場合、(1)太陽光発電システムの設置に対し、太陽光モジュールの保証期間を通常1年から10年に延長 (2)エコキュートの設置に対し、記念品贈呈 三菱電機開発営業本部
06-6338-4451

 

CASBEE神戸の評価マニュアル・評価ソフト・届出書はこちら

CASBEE神戸の評価マニュアル・評価ソフト・届出書は、以下より閲覧およびダウンロードができます。

 

評価マニュアル https://www.city.kobe.lg.jp/documents/14629/casbeekobe-ver3-manual-2_2.pdf
評価ソフト https://www.city.kobe.lg.jp/a81042/business/todokede/jutakutoshikyoku/building/procedure/casbee/lcco2.html
届出書 https://www.city.kobe.lg.jp/a81042/business/todokede/jutakutoshikyoku/building/procedure/casbee/index.html

 

CASBEE神戸の評価方法

CASBEE神戸の採点基準は、「CASBEE建築(新築)」の評価項目の一部に神戸市の重要項目を反映した内容となっています

 

CASBEE神戸の評価方法

 

 

CASBEE神戸の重点事項の評価方法

CASBEE神戸の3つの重点項目である「まちなみ・景観への配慮」と「建築物の耐震性等」、「バリアフリー計画」に関わるCASBEEの評価項目は以下の通りです。

 

まちなみ・景観への配慮 Q3(室外環境(敷地内)) 2.まちなみ・景観への配慮
建築物の耐震性等 Q2(サービス性能) 2.1 耐震・免震・制震・制振 2.4 信頼性
バリアフリー計画 Q2(サービス性能) 1.1.3 バリアフリー計画

 

CASBEE神戸の重要項目については、以下のシートに記載された評価点が評価結果のシートに風見鶏の数で示されます

 

CASBEE神戸の重点事項の評価方法

 

すまいの環境性能表示の評価方法

すまいの環境性能表示では、CASBEE神戸の評価結果等に基づき、対象となる特定集合住宅の環境性能について評価します

特に重要な環境性能の項目の評価方法

すまいの環境性能表示における環境性能の評価に活用するCASBEEの項目は、以下となります。

 

項目 評価に活用するCASBEEの項目等
①地球温暖化への配慮 ・LR3.1「地球温暖化への配慮」
②建物の断熱で省エネ ・LR1.3「設備システムの高効率化」
③住む人の安全・安心 S(以下の組み合わせ)※1 ・Q1.1「音環境」 ・Q1.2「温熱環境」 ・Q1.4.1「発生源対策」 ・Q1.4.2「換気」 ・Q2.1.1.3「バリアフリー計画」 ・Q2.2.1「信頼性」 ・性能表示9-1高齢者等配慮対策等級(専用部分) ・性能表示10-1開口部の侵入防止対策 ・兵庫県防犯優良マンション認定基準
④緑と街並みへの配慮 G(以下の組み合わせ)※2 ・Q3.2「まちなみ・景観への配慮」 ・「神戸市建築物等における環境配慮の推進に関する条例」の緑化基準

※1 S(③住む人の安全・安心の評価レベル)の構成

神戸市が設定した重み係数を用い、次の計算式によって算出されます。

S=S1*0.5+S2*0.25+S3*0.25

S(③住む人の安全・安心の評価レベル)の構成

 

※2 G(④緑と街並みへの配慮の評価レベル)の構成

神戸市が設定した次の計算式によって算出されます。

G=G1+G2 但し、Gは最大で5とする

G(④緑と街並みへの配慮の評価レベル)の構成

 

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