近年、不動産の開発や建物の新築には環境に配慮した経済活動が求められています。
その中で、CASBEE建築(新築)の取得をすることで、新築物件が優れた環境性能を持つことをアピールする企業が増えています。
しかしながら、CASBEE建築(新築)は建物の環境効率や設計目標の設定、さらには第三者認証の取得など、理解が難しい側面があります。
この記事では、CASBEE建築(新築)に関して詳しく説明するので、ぜひ参考にしてください。
CASBEE建築(新築)の代行を検討中なら、CASBEE業務のプロ「環境・省エネルギー計算センター」に無料相談!
CASBEE建築(新築)の申請代行は、豊富な実績が強みの当社「環境・省エネルギー計算センター」の無料相談をご利用ください。
これまで上場企業・大手設計事務所など300社以上・累計1,000棟以上をサポートしており、お客様のリピート率は90%以上を誇ります。実際の業務も高品質でありながらスピード納品が可能で、面倒で複雑なCASBEE建築の申請が楽になります。
Webで簡単にスピード見積が可能なので、CASBEE建築(新築)の代行を検討されている方はぜひお試しください。
CASBEE建築(新築)とは?
CASBEE建築(新築)は、「建物そのものの環境性能」÷「周辺環境への負荷」という割り算の考え方により、環境性能の効率を評価しているのが特徴です。
つまり、環境性能をより高め、環境負荷をより減らすことで高い評価を得ることができます。
CASBEE建築(新築)は、従来の「CASBEE建築」と「CASBEE建築(簡易版)」を統合する形で2014年に開発されたものです。
そのため、「CASBEE建築」の特徴である、環境設計の評価や第三者認証の取得といった目的と、「CASBEE建築(簡易版)」の特徴である、建築物の設計目標の設定や地方公共団体への届出書類の作成といった目的の両方に使用することが可能になっています。
さらに、自治体の考え方や地域特性に応じて、評価基準や評価項目感の重み係数が適宜変更され、「自治体版CASBEE」として届出制度にも活用されています。
下記がCASBEEについてより詳しく説明した記事です。概念の理解からしたい方や自治体について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
参考:CASBEEとは?主な評価ツールの種類や仕組みなどを、わかりやすく解説!
CASBEE建築(新築)の評価対象建築物
CASBEE建築(新築)は、戸建住宅を除く全ての用途に適用可能です。用途区分は「非住宅系用途」と「住宅系用途」に大きく分けられ、戸建て住宅は対象外です。
また用途分類は9用途で、工場の評価では主に居住エリア(事務所など)を評価の対象とし、生産エリアは評価対象外になります。
また、住宅系用途に区分される建築物は、「住居・宿泊部分」とそれ以外の共用部分とに分けて評価を行うのが特徴です。
用途区分 | 用途分類 | 含まれる用途 |
非住宅系用途 | 事務所 | 事務所、庁舎、郵便局など |
学校 | 小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、専修学校、各種学校など | |
物販店 | 百貨店、マーケットなど | |
飲食店 | 飲食店、食堂、喫茶店など | |
集会所 | 公会堂、集会場、図書館、博物館、ボーリング場、体育館、劇場、映画館、ぱちんこ屋、展示施設など | |
工場 | 工場、車庫、倉庫、観覧場、卸売市場、電算室など | |
住宅系用途 |
病院 | 病院、老人ホーム、身体障害者福祉ホームなど |
ホテル | ホテル、旅館など | |
集合住宅 | 集合住宅(戸建ては対象外) |
CASBEE建築(新築)の採点基準の考え方
CASBEE建築(新築)は、Q(Quality/建築物の環境品質)とL(Load:建築物の環境負荷)をそれぞれ個別に採点し、最終的にその結果をもとにBEE(Built Environment Efficiency/建築物の環境効果)を指標として評価します。
Q及びLの評価は、それぞれ1項目ごとにレベル1〜5の5段階評価とし、原則として建築基準法上の最低限の必須要件を満たしている場合はレベル1、一般的な水準と判断される場合はレベル3と評価できるような採点基準です。CASBEE建築の認証を受ける場合は、基本的にB+以上を目指す形になります。
後述するBEEを総合評価として、次の5段階のランクが与えられます。
CASBEE建築(新築)の総合評価のランク
ランク | 評価 | ランク表示 | BEE値、Q値 |
S | 素晴らしい | ★★★★★ | BEE=3.0以上、かつQ=50以上 |
A | 大変よい | ★★★★ | BEE=1.5以上3.0未満 |
B+ | 良い | ★★★ | BEE=1.0以上1.5未満 |
B- | やや劣る | ★★ | BEE=0.5以上1.0未満 |
C | 劣る | ★ | BEE=0.5未満 |
CASBEE建築(新築)の評価方法
QとLのそれぞれに含まれる評価項目について、各々設定された採点基準(レベル1〜レベル5)に従って、レベル1は1点、レベル5は5点として採点を行います。
住宅系用途に分類される集合住宅、ホテル、病院では、住居・宿泊部分とそれ以外の共用部分とに分けて評価を行いますが、評価項目によっては異なる採点基準が適用されるのが特徴です。
また、建物一体として評価結果を得る場合は、項目ごとの点数を床面積の比率に応じて加重平均して求めます。
なお、CASBEEの具体的な評価項目は下記の記事で説明しています。
参考:CASBEEの評価項目をプロが解説!「新築建築物」か「既存不動産」によって評価が変わる!
BEE評価とは
BEE評価は、QとLをそれぞれ個別に採点した上で認められる指標です。その際、LはまずLR(Load Reduction/建築物の環境負荷低減性)として評価されます。
QとLRの評価は、レベル1〜5の5段階評価とし、原則として建築基準法等最低限の必須要件を満たしているものをレベル1、一般的な水準と判断される場合はレベル3と評価できるような採点基準です。
評価項目ごとの点数に重み係数を乗じて、Q1〜Q3、LR1〜LR3の分類別の総合得点と、その合計得点(SQ、SLR)を算出します。
BEE値は、Q(建築物の環境品質)の得点SQと、LR(建築物の環境負荷低減性)の得点SLRに基づいて、以下の式により求めます。
ライフサイクルCO2評価とは
ライフサイクルCO2(LCCO2)とは、建築物を新築してから運用、解体するまでの一連の活動において使われた資材やエネルギーをCO2に換算し合計したものです。
建築物におけるLCCO2の計算は、通常膨大な作業を伴いますが、CASBEEにおいてはLCCO2を簡易的に求めることができるツールが用意されています。
また、建物の耐用年数に関しても以下のように用途毎に数値が決められており、簡易的にLCCO2の計算できるよう工夫されています。
計算上の建築物耐用年数LCCO2
用途 | 耐用年数 |
事務所、病院、ホテル、学校、集会場 | 60年 |
物販店、飲食店、工場 | 30年 |
集合住宅 | 30年、60年、90年(劣化対応等級に応じて) |
LCCO2について、参照値(省エネ法に定められた標準的な建物のLCCO2)に対して、評価対象建物のLCCO2がどれくらいの割合(排出率)を示すかを求め、以下の5段階の評価をしたものがライフサイクルCO2評価です。
一方で、簡易的にLCCO2の計算をするのではなく、評価者自身が詳細なデータ収集と計算を行って精度の高いLCCO2を算出した場合は、この数値を評価結果の一部にすることが認められています。
LCCO2排出率による評価のランク
ランク表示 | 排出率 |
☆☆☆☆☆ | 30%以下 |
☆☆☆☆ | 60%以下 |
☆☆☆ | 80%以下 |
☆☆ | 100%以下 |
☆ | 100%超 |
大変なCASBEE建築(新築)は専門家に無料で相談しよう!
上記の通り、CASBEE建築(新築)の申請に基づく各種計算は非常に複雑です。
慣れない人が対応すると計算ミスで手戻りが発生したり、建築着工した後で誤りが発覚すると、行政から施工やり直しを求められるなどのリスクがあります。
「環境・省エネルギー計算センター」では、CASBEEの専門家がスピーディーに対応し、設計や工事スケジュールに合わせた対応が可能です。
CASBEE建築(新築)代行を検討する際は、豊富な実績が強みの「環境・省エネルギー計算センター」の無料相談をぜひご利用ください。
CASBEE建築(新築)の評価手順
CASBEE建築(新築)は、評価結果のさまざまな活用を想定し、汎用の表計算ソフト上で入力できるように開発が行われています。
採点は、建物用途の違いによらず同一のソフトウェアで実施することが可能です。
具体的な評価手順は以下の通り、「入力項目」である評価シートへの情報入力を行った後、各種重み付けが反映され、「出力項目」である評価結果表示シートが作成されます。具体的に説明していきます。
評価シートへの入力
評価シートの入力項目は、主に「メインシート」と「採点シート」に分かれます。
メインシートは評価建物の基本情報(名称、用途、規模等)など、評価にあたって必要な情報を入力するもので、主な入力項目は以下の通りです。
①建物概要(名称、住所、竣工年、面積、階数、平均居住人員など)
②評価の実施(作成者、作成日など)
③用途別延床面積(複合用途の場合は各部分の面積、住居・宿泊部分の比率など)
採点シートには各用途における採点基準が表されているので、評価者はその基準に従って、レベル1からレベル5までの5段階で採点します。
評価結果表示シートの出力
評価シートに入力した情報に基づき、CASBEE建築(新築)に関する評価結果表示シートが出力されます。
評価結果表示シートでは、Q(建築物の環境品質)とLR(建築物の環境負荷低減性)さらにBEE(建築物の環境効率)、LCCO2排出率の結果がブラフと数値で表示されるのが特徴です。
評価結果表示シートの詳細は以下の通りです。
項目 | 内容 |
①建物概要 | 評価建築物の概要 |
②CASBEEの評価結果 | グラフによる評価結果表示 |
②-①建築物の環境乗率(BEEランク&チャート) | Q,Lの評価結果とBEEの表示 赤星によるランク表示 |
②-②ライフサイクルCO2(温暖化影響チャート) | リファレンス建物と評価建物のLCCO2表示 緑星によるランク表示 |
②-③レーダーチャート | 分野ごとの評価結果をレーダーチャート表示 |
②-④バーチャート | 分野ごとの評価結果を棒グラフ表示 |
「Q:建築物の環境品質」における評価結果 | |
「LR:建築物の環境負荷低減性」における評価結果 | |
③設計上の配慮事項 |
CASBEE建築(新築)導入のメリット
CASBEEを導入する大きなメリットとしては、環境性能を客観的に評価することで、企業のESG投資に関する姿勢を外部に示すことができる点です。
また、CASBEEの評価を受けることによって、省エネ・省CO2対策・断熱化等による住環境の快適性向上・生物多様性への配慮など、多くの社会的便益に貢献していることの証明となります。
特に、CASBEE建築(新築)の場合は、以下のメリットや特徴があります。
- 環境設計の実施内容の評価が可能
- ステークホルダーへのアピールができる
それぞれ、詳しく説明します。
環境設計の実施内容の評価が可能
CASBEE建築(新築)は、設計及び施工が進む各段階で、目標性能または設計仕様、予測性能に基づき評価し、各段階での改善検討などが可能なシステムです。また既存の構造を再利用した改築や建て替えにも使用することができます。
いくつかの地方公共団体によっては、新築時や改築時にCASBEEの評価結果の届出を義務化したり、CASBEEで高い評価を得た建物には容積率割り増しなどのインセンティブを与える仕組みが導入されています。
ステークホルダーへのアピール
企業として長期安定的に業務存続するためには、保有不動産における環境・社会配慮に取り組み、対外的にその性能を示すことが、入居者や投資家をはじめとするステークホルダーからの期待・要望に応えるうえで非常に重要と認識されています。
CASBEE建築(新築)では、これから建築する建物の環境性能を示すことができ、開発資金を投資家から集める際に優位に働きます。
また、オフィスデベロッパーであれば、建物竣工前からテナントリーシングにて訴求力の高い営業活動に行えるというのもメリットです。
CASBEE建築(新築)についてのよくある質問
最後に、CASBEE建築(新築)についてよくある質問についてまとめました。気になる箇所がある方は確認してください。
CASBEE建築(新築)の費用は?
CASBEEの費用は、「認定手数料」と「申請代行手数料」の2つに分類されます。
新築のCASBEE建築は「認定手数料」と「申請代行手数料」を合計して、数百万円ほどの費用がかかります。
評価項目が多く手間とコストがかかるため、他のCASBEEより費用が高くなる場合が多いです。
なお、「CASBEEの費用はいくら?CASBEE代行でかかる費用の考え方について徹底解説」にCASBEEの費用に関してまとめています。ぜひ参考にしてください。
CASBEEに関する補助金はある?
CASBEEを含め、企業の建築物の省エネ対応に対して補助金が出る可能性があります。
最新情報が必要な場合は、一度当社「環境・省エネルギー計算センター」へ無料でご相談ください。
CASBEE建築(新築)の事例は?
CASBEE建築の事例は「CASBEEの事例・制度・評価基準について徹底解説」の記事でまとめています。
高ランクの具体的事例についても紹介しているので、CASBEE建築の取得を目指す方は一度確認してください。
まとめ:CASBEE建築(新築)は評価項目が多く大変
CASBEE建築(新築)は、新築の時点から環境負荷を下げ、投資家の高評価に繋がる取り組みです。
ただし、CASBEE建築(新築)の評価項目は約110項目と多く、全ての項目で根拠資料の提出が必要となり、申請の手間や作業コストの負担が大きくなるのが課題です。
具体的な評価方法はこれまで解説した通りですが、Q(建築物の環境品質)ではQ1(室内環境)・Q2(サービス性能)・Q3(室外環境)、L(建築物の環境負荷)では、LR1(エネルギー)・LR2(資源・マテリアル)・LR3(敷地外環境)において、それぞれ評価する必要があります。
CASBEE建築(新築)を自社で行おうとする場合、かなりの労力と時間がかかることを事前に認識しておきましょう。
CASBEE建築(新築)にお悩みなら、一度無料でご相談ください!
上述の通り、CASBEE建築(新築)は非常に手間がかかる業務で、設計事務所が当該業務を行うと本来集中すべき設計などの業務に支障がでてしまいます。
さらに、CASBEE届出が必要な自治体であれば期限が設けられているため、万が一トラブルや不備が発見されて期限内に届出ができないとなれば、義務違反として罰せられる可能性もあります。
これらの課題を考慮すると、CASBEE申請のプロに相談するのが好ましいでしょう。
多くのCASBEE申請代行業務の実績を誇る当社「環境・省エネルギー計算センター」では、当該業務をアウトソースしやすいように、安心価格、迅速な対応、要望に答える柔軟なサービスラインナップを揃えています。
Webで簡単にスピード見積が可能なので、CASBEEを検討されている方はぜひお試しください。