CASBEEかながわとは、神奈川県で大規模な建築物を建てる際に届出が必須となる制度のことです。
神奈川県は、地球環境に配慮した建築物の評価を目的として、CASBEEかながわの提出を条例で定めています。
CASBEEかながわの評価は複雑であり、評価方法について多くの問い合わせがあります。
また、評価基準についても理解する必要があるため、作成に多くの時間が必要です。
この記事では、CASBEEかながわの内容や評価基準、手続きの流れについて詳細に解説します。
神奈川県で大規模な建築物を計画している方や、中規模な建築物でもCASBEEかながわの取得を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
CASBEEとは?
CASBEEとは、「建築環境総合性能評価システム(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)」の略称です。
CASBEEは、建築物の「環境品質」と「環境負荷」を評価するため、2003年に国土交通省の支援のもと産官学の共同で開発されたシステムになります。
CASBEEかながわとは?横浜市や川崎市は適用除外である点に注意
CASBEEかながわとは、神奈川県で「特定建築物」を計画する場合、建築物を評価し届出を行うことを義務付ける制度です。
建築確認申請または計画通知を行う日の21日前までに届出を行う必要があります。
また、横浜市と川崎市に建築する特定建築物は、各市独自の条例が適用されるため、県条例による県への届出は必要ありません。
各市に該当する場合は下記のリンクより確認してください。
横浜市建築局建築指導部建築企画課|横浜市建築物環境配慮制度(CASBEE 横浜)
川崎市まちづくり局指導部建築管理課|川崎市建築物環境配慮制度(CASBEE 川崎)
CASBEEかながわの特徴について
CASBEEかながわは2010年4月1日から施行された制度であり、全国共通の「CASBEE-建築(新築)」による評価と、神奈川県独自の重点項目についての評価を組み合わせた建築環境総合性能評価システムになります。
また、2012年10月1日から届出の提出義務付け対象となる建築物の規模が「延べ床面積2,000㎡以上の建築物(特定建築物)」となりました。
「延べ床面積300㎡以上2,000㎡未満の建築物(特定建築物以外の建築物)」は任意での提出が可能です。
CASBEEかながわの届出義務対象建築物
CASBEEかながわの届出対象建築物は対象面積によって異なります。
「延べ床面積2,000㎡以上」であれば、届出義務が発生する特定建築物とされ、「300㎡以上2,000㎡未満」であれば、届出が任意となります。
以下で詳細を解説します。
届出義務→特定建築物
・2012年10月1日以降に建築確認申請を行う「延べ床面積(※)2,000㎡以上」の建築物
・2010年4月1日〜2012年9月30日までに建築確認申請を行った「延べ床面積(※)5,000㎡以上」の建築物
※延べ床面積は新築、増築または改築に係る面積
届出任意→特定建築物以外の建築物
・2012年10月1日以降に建築確認申請を行う「延べ床面積(※)300㎡以上2,000㎡未満」の建築物
・2010年4月1日〜2012年9月30日までに建築確認申請を行った「延べ床面積(※)2,000㎡以上5,000㎡未満」の建築物
※延べ床面積は新築、増築または改築に係る面積
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CASBEEかながわ独自の重点項目について
CASBEEかながわでは、県独自の条例の趣旨を踏まえて、環境配慮項目のうち特に「地球温暖化への配慮」と「ヒートアイランド現象の緩和」に関する項目を重点項目としています。
2つの項目について以下で詳細を解説していきます。
重点項目1:地球温暖化への配慮
地球温暖化対策を推進するために、二酸化炭素(CO2)の排出量削減を進める必要があります。
CASBEE かながわでは二酸化炭素(C02)排出量の削減効果について評価ができるように、建築物のライフサイクルCO2(LCCO2:建設してから解体するまでの建築物の一生で使われる資材・エネルギーを二酸化炭素(CO2)排出の量に換算し、足し合わせたもの)の削減に寄与する下記項目を重点項目としています。
- 材料使用量の削減
- 既存躯体などの継続利用
- 躯体材料におけるリサイクル材の使用
- 外皮性能
- 建物の熱負荷抑制
- 自然エネルギー利用
- 設備システムの高効率化
- 効率的運用
- 躯体材料の耐用年数
重点項目2:ヒートアイランド現象の緩和
都市部の気温が周辺部よりも高くなるヒートアイランド現象の要因として、人工排熱や土地利用(緑地の減少やコンクリート、アスファルトなどの人工地表面の増加)などが挙げられます。
ヒートアイランド現象を緩和するためには、都市部の自然環境を継承しながら、緑ゆたかな街づくりを進める必要があります。
ヒートアイランド現象の緩和については、下記項目を重点項目としています。
- 敷地内の温熱環境向上
- 温熱環境悪化の改善に関する項目
その他の関連項目
重点項目である地球温暖化への配慮やヒートアイランド現象の緩和に間接的に関連する項目として下記項目があります。
①節水に関する配慮(地球温暖化への配慮の関連項目)
水の処理や給水にも大量のエネルギーが使用されているため、節水に関する配慮でCO2削減を評価します。
②生態系保全に関する配慮(ヒートアイランド現象の緩和の関連項目)
まちの緑をネットワークでつなぎ、既存の樹木などの生き物が継続して生息できる環境を残すなど、豊かな自然が守られるよう、生物環境に配慮した計画を評価します。
CASBEEかながわの手続きの流れとは|評価ソフトや届出様式について
CASBEEかながわについての概要と重点項目について重要なポイントに絞ってお伝えしました。
ここからは具体的な手続きの流れについて、必要な評価ソフトや届出様式などと合わせてご紹介します。
実際にCASBEEかながわの手続きを行う方は、参考にしてみてください。
CASBEEかながわの手続きの流れや評価ソフト、届出様式について
①計画書作成に必要な電子データをダウンロード
計画書作成に必要な電子データはこちらよりダウンロードできます。
ここで必要な書式は以下の通りです。
- 建築物温暖化対策計画書(第9号様式か第10号様式のどちらかの規則様式)
- 重点項目シート
- CASBEE
- 再生可能エネルギー等活用設備導入検討のチェックシート
②建築物温暖化対策指針にもとづき、地球温暖化対策を検討
地球温暖化対策については「建築物温暖化指針」を参考に検討します。本制度の根拠となる規定等については神奈川県の「地球温暖化対策推進条例のページ」を参考にしてください。
ここで検討する項目としては以下の通りです。
- CASBEEにある項目
- 再生可能エネルギー等の導入
③CASBEEを使用し、計画している建築物の評価
「建築物温暖化対策計画書マニュアル」および「CASBEE評価マニュアル」を参考に下記シートを入力していきます。
- メインシート
- 係数シート
- 配慮シート
- 採点シート
④重点項目シートに③で評価した内容を転記
③で入力したCASBEEの評価結果シート及びスコアシートから重点項目シート(エクセルファイル)に内容を転記します。
⑤規則様式、再生可能エネルギー等活用設備導入検討チェックシートに記載した上で図面等の必要書類を準備し、建築確認申請(計画通知)の21日前までに提出
計画書に必要な添付書を参考にし、正副1部ずつ準備します。
CASBEEかながわの提出窓口について
CASBEEかながわの提出方法については「郵送」と「電子」の2つがあります。
郵送
新型コロナウイルスの影響により、当分の間郵送にて受け付けているため、下記住所にて郵送して提出します。
神奈川県 環境農政局 環境部 環境計画課 計画書審査グループ
〒231-8588
神奈川県横浜市中区日本大通1(新庁舎4階)
電話:045-210-1111 内線:4084・4088
電子
建築物温暖化対策計画書(第9号様式および第10号様式)以外の手続きについては、電子申請・届出システムにより、オンラインで行うことが可能です。対象となる手続きについては「電子申請・届出システムを利用可能な手続きのページ」を参照ください。
※キーワード検索にて「建築」と入力し、該当となるページを選択します。
CASBEEかながわの評価制度・評価ランクについて
CASBEEー建築(新築)評価結果シートについて
CASBEEかながわでは「Q(建築物の環境品質)」と「L(建築物の環境負荷)」の評価結果から得られる、「建築物の環境効率:BEE」を表示しています。
BEEの算出方法やランクについては以下の通りです。
BEEだけでなくライフサイクルCO2(温暖化影響チャート)なども加味した以下のような総合評価シートにて証明します。
CASBEEかながわ重点項目シートによる評価について
重点項目シートには「総合評価の結果」と「重点項目への取り組み度」の2つが記載されています。
①総合評価の結果
建築物の名称、CASBEE-建築(新築)での評価結果のうちBEE値(建築物の環境効率)を5点満点(少数点以下1位まで)、BEE値ランク(C~Sの5ランク)及び対応する星の数を示します。
②重点項目への取り組み度
CASBEEかながわの重点項目である「地球温暖化への配慮」及び「ヒートアイランド現象の緩和」への取り組みについて、各項目への取り組み度を5段階の若葉マークで表示します。
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CASBEEかながわの公式マニュアルは100ページを超える膨大なマニュアルになっています。
マニュアルを読むだけでなく、内容を理解するまでに膨大な時間がかかります。本業に集中するためには、届出業務を代行することが得策です。
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