CASBEE(キャスビー)の「環境性能の格付け」に関してお調べの方は、「CASBEEとは?主な評価ツールの種類や仕組みなどを、わかりやすく解説!」をご覧ください。
あなたの住んでいる住宅やコミュニティが「自身や家族の健康に悪影響を及ぼさないか」「自然災害や火災が起こった時に大丈夫か」とお考えなのであれば、「CASBEE チェックリスト」で診断するのが便利です。
CASBEEチェックリストには以下の5つがあります。(リンクをクリックすると該当箇所に移動します)
普段の生活ではなかなか聞くことのない「CASBEE(キャスビー)」という単語ですが、CASBEEとはSDGsや企業の視点から建築物を見る場合に重要な指標で、一個人として住居を選んだり管理したりする場合であっても利用できます。
この記事では、CASBEEのチェックリストについて取り上げ、チェックリストの内容や活用方法について解説していきます。住環境について問題意識や不安がある方はぜひ参考にしてください。
CASBEEとは?
CASBEEとは、建築物などを対象とする評価指針のうちのひとつです。
今、あなたが住んでいる住環境が「安心・安全か」「環境に配慮されているか」などを簡単にスコア化することができる仕組みです。
国が中心となって2001年から進めた評価指針であり、建築物における環境性能を評価します。企業であればESG投資を考えたり、SDGsを考えたりするうえで非常に重要な指針で信頼性がある指標です。CASBEEの認証を得た建築物・企業は周りから高く評価されたり、公的な事業の評価に使われたりすることもあります。
CASBEEについて詳しく解説した記事は以下の通りです。企業の担当者はぜひ確認してください。
CASBEE建築 | CASBEE建築(新築)の評価方法とは?BEEランクやライフサイクルCO2評価について詳しく解説! |
CASBEE不動産 | CASBEE不動産を申請・取得する3つのメリット!不動産評価認証の外注先を決めるポイントも徹底解説 |
CASBEEウェルネスオフィス | CASBEEウェルネスオフィスとは?評価項目や認証取得のメリットを解説! |
CASBEEのチェックリストは自分の住環境のチェックに有用!
CASBEEのチェックリストはあなたの住環境に問題がないかをチェックする上で便利です。
チェックリストは5分〜10分でスコア化することができるので、誰でも簡単に今の自分の状況を把握することができます。
客観的な視点で診断・確認することで、自分の住む家を見直すきっかけを得られます。
また、川久保俊等の研究によると、CASBEE健康チェックリストのスコアが高いグループほど各種疾病(糖尿病・結膜炎・高血圧・心疾患・脳疾患・鼻炎・肺炎・喘息・皮膚炎・関節炎)の有病割合が低いと結論づけられています。
CASBEE健康チェックリストは、単なる住居の評価のみならず、健康との関連性も確かめられます。
参考:川久保 俊等「住環境が居住者の健康維持推進に与える影響に関する研究」
現在は無料でチェックリストを確認できるので、試してみてはいかがでしょうか。
CASBEEのチェックリストは5種類ある
CASBEEのチェックリストは下記の5つがあります。
- レジリエンス住宅チェックリスト
- すまいの健康チェックリスト
- すまい改修チェックリスト
- コミュニティの健康チェックリスト
- 高齢期住まいチェックリスト
それぞれが異なる性質を持つものなので、すべて試してみると良いでしょう。
CASBEEのチェックリストの活用方法
CASBEEのチェックリストを用い、自身の建築物やコミュニティを客観視し、正しく判断していくことは、「改善」を考えるうえで非常に重要な意味を持ちます。
自分の住んでいる住居や地域が心地良いものであるのかどうか、もしそうではないのならどのような点を改善していけばいいのかが、CASBEEのチェックリストを活用することで見えてきます。
「改善するために、現在の問題点を洗い出すこと」が、CASBEEのチェックリストを活用することの意味なのです。
CASBEEの活用方法やCASBEEの導入のご相談なら実績豊富で安心の「環境・省エネルギー計算センター」に無料でご相談ください!
CASBEEをうまく活用したい企業や、導入を検討している方は、当社「環境・省エネルギー計算センター」へお気軽にご連絡ください。無料でご相談を受け付けております。
「お客様お一人おひとりにとって住みやすい、CASBEEで高いスコアを得られる建築物にしたい。ただ、自分たちだけでこの申請を行うのは大変」という方は、ぜひ当社をご利用ください。
レジリエンス住宅チェックリスト
ここからは、各チェックリストについて説明します。興味のあるものからお試しください。
レジリエンス住宅チェックリストとは、住まいにおけるリスクや備えについて「気付く」ことを目指したチェックリストです。「レジリエンス」とは、「回復の力」「適応力」を意味する言葉です。
「日常生活」「災害が発生したとき」「災害が発生した後」の3つのカテゴリーから、住環境・ライフスタイルのあり方について評価していきます。
「日頃から運動をしているか」などのような、日々の活動状況に関する質問項目も設けられています。
下記がチェック結果の例です。住まいのリスクや備えが一目でわかります。
すまいの健康チェックリスト
CASBEEの「すまいの健康チェックリスト」では、自宅が健康に影響を与える要素を見つけることができます。
主に、「自分の住んでいる家の状態」についての質問がなされます。居間・リビングや寝室、キッチン、玄関など各部屋の状況を問う質問が多く見られ、「家の周りの状況」「介護を行うのに適した家づくりになっているか」などの質問項目も設けられています。
なお、最後には「全国約6000軒の家と比較したときの順位」なども見ることができます。
すまい改修チェックリスト
すまい改修チェックリストは、住宅の改修によって耐震性、省エネ性、バリアフリー性などの性能がどのくらい改善するかを簡易に評価し、わかりやすく示すツールです。
具体的には下記の項目を確認します。
- 快適で健康的な住まいであるか
- エネルギーを大切に使える住まいであるか
- 長く使える住まいであるか
断熱性能が高い家なのか、省エネ性能はどうか、耐震性がある家なのかどうかを聞いていくもので、最終的には4つのレベルによってその住まいを評価します。
コミュニティの健康チェックリスト
コミュニティの健康チェックリストでは、あなたの健康状態に影響を及ぼすと思われる健康阻害要因と日頃の地域活動や安全衛生、施設サービスの利用等による参加・活動促進要因についてチェックができます。
CASBEEはしばしば「住宅そのものだけをみるものである」と間違われますが、実際にはCASBEEは「住宅周りの地域の状況」についても評価する仕組みです。
また、「コミュニティの健康チェックリスト」ではさらに幅を広げて、「利用しやすい公共機関があるか」「医療機関は周囲にあるか」などを聞かれます。
広い意味で、「現在の住まいが、『健康を維持できる』住まいであるかどうか」をチェックしていくリストだといえるでしょう。
高齢期住まいのチェックリスト
高齢期住まいのチェックリストでは、ご自身の住宅が「高齢期になったときに対応できる住宅かどうか」を診断できます。
自宅で豊かな自立した生活を続けるためには、自分や家族の体の変化を意識し、早めの住まいの改善が必要です。また、住まいの将来像を家族と共有しておくことも重要です。
基本的には家の中のことを質問してきますが、近場の医療機関や、近所の店などの「外部」についての質問もあります。
下記の通り分かりやすい結果が出るので、「現在はまだ若いので、高齢になったときの住宅については思いを巡らせていない」という人でも、一度はチェックしておくと良いでしょう。
CASBEEチェックリストを用いて今の住環境をチェックしよう
自分の住宅が「健康に良いか」「災害時に対応できるか」「高齢期でも満足に使えるか」を知ることは重要です。
早めにリスクヘッジをしておくことで、いざというときに正しい判断や対処ができます。
自分の家が災害に見舞われたとき、自分が年齢を重ねたとき、自分がけがをしたとき、自分の住んでいる住まいは「住みやすい」ものであるのかどうかを、CASBEEのチェックリストを元に調べていきましょう。
そして、「まだ問題がある」と感じたところについては、見直しと改善を行っていきましょう。
CASBEEとSDGsの関係性
CASBEEとSDGsには深い関係性があります。
CASBEEの評価軸に「地球環境への配慮」があります。
これはSDGsにおける「エネルギー」や「気候変動」、「街づくり」「海や陸の保護」に大きく関係しています。
上記を踏まえ、2021年には、CASBEEにもSDGsを踏まえた「SDGs対応版」が追加されました。
CASBEEとSDGsの関係性については下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
参考:CASBEEとSDGsとの関連性|評価マニュアル「SDGs対応版」と「これまで」の違いについて解説
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この記事を読んで、CASBEEの導入について興味を持たれた方はぜひ一度「CASBEEとは?主な評価ツールの種類や仕組みなどを、わかりやすく解説!」をお読みください。
CASBEEを用いることで、ESG投資におけるアピールポイントになったり、賃料が上昇したりすることがあります。
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