近年、企業経営においてESGを意識した活動が重要視されており、不動産の開発や利用においても環境への配慮が求められています。
環境への配慮が求められる中で、不動産の環境性能を測るためのツールとしてBELS(ベルス)が活用されるようになりました。
では、BELSは誰がどのようにして評価・申請を行うのかを知っているでしょうか。
この記事では、BELSの評価機関や協議方法等について詳しく説明します。BELSの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
BELS(ベルス)とは?
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)は、建築物の一次エネルギー消費量に基づき、BELSの評価機関が5段階で評価する、省エネルギー性能に特化した性能判定制度です。
評価結果は評価書や認定マーク・プレートとして表示することが可能で、近年、不動産売買を中心にチラシや建物表示に利用されています。
BELSは、高い評価を得ることによって企業や建築物のイメージアップが期待でき、売買や賃貸市場でも他の建物と差別化を図ることができる重要な指標です。
対象となる建築物
BELSは、規模や用途に関わらず全ての建築物が評価対象です。
また、建築物全体だけではなく、フロアやテナントごとなど建物の一部のみの評価も可能な評価手法となっています。
住宅と非住宅で基準に違いを設け、さらに環境性能が高い「ZEH」(ゼロ・エネルギー・ハウス)や「ZEB」(ゼロ・エネルギー・ビル)が用意されています。
BELSは、それぞれの評価基準を設けることにより、用途や規模に関わらず、事業者の環境配慮に対する積極的な姿勢を認定する仕組みとして広く利用されている制度です。
BELS評価の実施体制
BELSとは誰がどのような体制で評価・認証しているのかについて、以下で説明します。
BELSの評価機関には、建築物省エネ法に規定されている業務の公正な実施に関する内容の遵守が求められており、法に基づき認定された民間機関が評価に携わっています。
評価の実施機関に必要な要件
評価機関は、以下の要件を充足している必要があります。
- 建築物に係る評価業務の経験を有していること
- 当該評価内容の公正性の確保を行うこと
上記要件を満たしている企業として、以下の評価機関が国より認定を受け業務を行っています。
- 住宅の品確法に基づく登録住宅性能評価機関
- 建築物省エネ法に基づく登録建築物エネルギー消費性能判定機関
評価の実施者に必要な能力
BELS評価の基準を定める「一般社団法人 住宅性能評価・表示協会」では、評価の実施者には以下の能力が必要であると定めています。
【住宅の評価員】
品確法第十三条に定める評価員、または当協会が実施する住宅に係る設備機器等及び外皮性能に関する住宅用途の評価に特化した講習などの過程を修了した者
【非住宅の評価員】
建築物省エネ法第四十五条に定める適合性判定員で、さらに登録講習機関が行う非住宅の外皮性能に関する講習を受講した者
また、評価員には、上記に加えて継続研修を受講し最新の知識を有することも必要とされています。
評価の実施方法
BELSの審査は、申請者から提出された以下の図書・図面等にて実施します。
書類名 | 内容 |
申請書 | 申請に必要な事項を記載 |
設計内容(現状)説明書 | 設計内容(現状)の概要 |
図面等 | 意匠図、設備図等、評価に必要となる図面 |
計算書 | 一次エネルギー消費量計算等、評価に必要となる計算書 |
その他 | その他、評価に必要となる資料 |
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BELSの取得時に費用がかかる仕組み
BELSの審査は民間検査機関が行うため、取得には費用が必要です。
また、BELS申請は所有者ではなく申請代行会社に委託するのが一般的であり、委託にも費用がかかります。
審査費用・申請代行費用のどちらの費用も、決められた報酬額はありません。
審査費用は、戸建て住宅であれば数万円から、その他建物用途であれば数万円から数十万円の範囲で定められており、対応する機関ごとに報酬テーブルが用意されています。
申請代行費用は1件10万円程度を下限とし、建物規模及び計算方法の違いにより数十万円までの幅で協議により定めるのが一般的です。
BELS評価の標準的な流れ
BELS評価のフェーズは、大きく計画・申請・評価・交付の4つに分かれます。
特に重要なのが、計画時点での評価機関との「事前相談」です。
また、新築の場合はBELSの評価を上げるため、デザインや設備計画の変更を視野に入れるケースもあり、計画の早い段階での対応が望まれます。
計画から申請まで
計画から評価機関への申請までの流れは、以下の通りです。
No. | 対応当事者 | 対応事項 |
① | 申請者 | 設計・申請図書の作成 |
② | 申請者→評価機関 | 事前相談 |
③ | 申請者 | 申請図書の完成 |
④ | 申請者→評価機関 | 申請図書提出 |
⑤ | 評価機関 | 評価業務契約締結 |
実務的には、①の設計・申請図書を速やかに作成のうえ、②の事前相談のフェーズに早く移行するのがポイントです。
評価機関との事前相談は無料となりますが、評価機関が評価業務に着手する前に⑤の評価業務契約締結が必要となります。
評価から交付まで
評価からBELS評価書交付までの流れは、以下の通りです。
No. | 対応当事者 | 対応事項 |
① | 評価機関 | 評価開始 |
② | 評価機関→申請者 | 質疑対応 |
③ | 評価機関 | 評価料金受領 |
④ | 評価機関→申請者 | 評価書交付 |
⑤ | 申請者→評価機関 | 評価プレート等交付依頼・代金支払い |
⑥ | 評価機関→申請者 | 評価料金受領 |
評価機関は、①評価開始後、②質疑対応にて資料不足や不明点等の連絡を申請者に対し実施します。
このやり取りは複数回実施されるので、一定の知識を有した申請者の対応が必要です。
評価完了後、③で評価料金を評価機関が受領した後に、評価機関から申請者に対して評価書等が交付されます。
BELS登録機関
BELSの登録機関は、「一般社団法人 住宅性能評価・表示協会」のホームページに掲載されています。
2022年9月現在で109の評価機関が登録されており、全国対応している機関と一部地域限定で対応している機関が存在します。
登録機関は、民間の建築確認検査機関の大手から地域限定の一般財団法人までさまざまです。
代表的な評価機関リスト
全国対応かつ住宅・非住宅両方を業務対象としている代表的なBELS登録機関は、以下の表の通りです。
登録番号 | BELS登録機関 |
1 | 日本ERI株式会社 |
2 | 一般財団法人日本建築センター |
3 | 一般財団法人ベターリビング |
9 | 株式会社東京建築検査機構 |
12 | 株式会社住宅性能評価センター |
13 | 日本建築検査協会株式会社 |
14 | ビューローベリタスジャパン株式会社 |
17 | 株式会社グッド・アイズ建築検査機構 |
20 | 株式会社確認サービス |
25 | 株式会社西日本住宅評価センター |
29 | 株式会社ハウスジーメン |
49 | 株式会社J建築検査センター |
60 | 株式会社都市居住評価センター |
77 | アウェイ建築評価ネット株式会社 |
78 | 株式会社 国際確認検査センター |
出典:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会「BELS登録機関リスト」
業務対象が住宅のみの機関も存在する
BELS登録機関の半数程度は、住宅専門の評価機関です。
「一般社団法人 住宅性能評価・表示協会」によると、2022年8月末時点のBELS評価書交付実績は圧倒的に住宅用途が多い結果となっています。
特に、住宅のBELS評価書交付実績は2022年に入ってから急増しているため、増加に対応し住宅専門の評価機関も増えているものと考えられます。
省エネ適判と合わせてBELS取得がおすすめ
非住宅の床面積が300㎡以上の建築物を新築等する場合、所管行政庁又は登録省エネ判定機関による省エネ適合性判定を受けることが必要です。
省エネ適合性判定を要する建築物は、省エネ計画書や省エネ適合判定通知書の写し等を用いてBELSの評価を受けることができます。
この場合、申請に係る添付図書を再度用意する必要はなく、手続きを簡素化できるためおすすめです。
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